修論タイトル:「Webアプリケーションサーバの性能向上を目指した
動作情報の動的解析とパラメータチューニング」
(2005年度 修士論文)

氏名:南野 久美子 <kuminami@spa.is.uec.ac.jp>

概要:

 本研究では、静的・動的コンテンツ配信をおこなうWebアプリケーションサーバの内の挙動を監視し、 その動作情報をもとにしたWebサーバの動的なパラメータチューニングをおこなうシステムの設計、および実装をおこなった。
 近年、インターネットの利用者数の増加にともない、Webサーバが安定したサービス供給をおこなう必要性が高まっている。 こうした背景から、Webサーバの管理者は、サーバのパフォーマンスをあげるためのチューニングを重視する傾向がある。 しかし、管理者によるWebサーバのチューニングには、サーバの負荷状況の取得や分析、 そしてパラメータ変更後のパフォーマンス検証といった作業を複数回繰り返す必要がある。 また、Webサーバへの負荷は一定ではなく変化するために、高いパフォーマンスを維持するためには、 1度のチューニング作業で対応しきれないこともある。本研究で作成するシステムでは、 このようなWebサーバのチューニング作業を自動的におこなうものである。 また、変化するWebサーバへの負荷に対応した動的なチューニングをおこない、サーバ管理者の作業負担を減らすのが目的である。
 本システムのチューニング対象のサーバはApache2.0系である。チューニングをほどこすパラメータは、 サーバとクライアントのコネクションに関するKeepAliveTimeoutパラメータと、 サーバの子プロセス数に関するMaxClientsパラメータの2つである。 本システムは、サーバへの変化する負荷に応じたチューニングをおこなうために、 サーバの動作情報をリアルタイムに取得する必要性がある。 よって、本システムをApacheモジュールとして実装し、内部からApacheサーバの処理フェーズに介入することで、 Apacheの動作情報をリアルタイムに取得することが可能となった。このように取得した動作情報をもとに2つのパラメータチューニングをおこなう。
 本システムを使用した評価実験をおこなった結果、コネクションに関するパラメータのチューニングでは、デフォルトの設定値で稼動しているWebサーバよりもスループットが向上した。サーバの子プロセスに関するパラメータのチューニングでは、サーバのメモリ不足を緩和することができた。

本文:

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システム説明:

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