修論タイトル: 「低価格カメラを使った探し物支援システムの設計と実装」 (2008年度 修士論文)

氏名:NGUYEN THI HOANG LIEN

概要:

人間は目が疲れたときや、散らかった状態では物体発見の能力が衰えてしまう。探す物体の一部が隠れてしまっていると、 目の前にあっても発見できないことも少なくはない。このような状況の下では探し物支援システムが有益だと考える。
探し物支援システムについてはいくつかの提案や商品が存在している。しかしながら、それらは無線技術を使い、管理したい物に子機やタグを付け、 探したい時、対応のボタンを押すと、その物の位置を知らせる。子機のサイズが大きくて、対応できる物体の個数が少ないという問題や、 設置コストが高いという問題が存在している。
本研究では低価格カメラ(Web カメラ等) を使い、画像認識技術で、散らかった状態から物の探索を支援するシステムを提案する。 物を探したいとき、カメラを回して周辺画像を入力し、その画像とあらかじめ登録してあった写真と比較することで、指定した物を見つける。
さらに、提案したシステムの設計と実装も行った。実験結果から見ると、物体の3分の2が隠れていても探索できることがわかった。
本システムは既存の物体探索支援システムより発見率は落ちるが、低価格カメラを使うことで、設置コストを安くできた。 また、物体に子機を付ける必要がなく、管理したい物の数を自由に増やすことができる。 システムは物体の一部が見えていれば発見できるため、形が変化する物体や柔らかい物体も発見可能性である。
提案システムはパソコンに実装することを前提としているが、将来、カメラ付きの携帯電話でも紛失したものを探索できる可能性がある。 また、将来カメラの付きロボットで、地震の現場で物を探すことにも有益だと考えている。


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