修論タイトル:「技術動向調査に基づいたセンサデバイスの省電力制御プログラム作成支援ツールの構築」 (2009年度 修士論文)

氏名:立澤 正樹

概要:

 人間生活を支援する「ユビキタスネットワーク」技術の一つにセンサネットワークがある。センサネットワークの技術は様々な分野に適用されており、新たなる分野への適用が各方面において研究されている。その技術適用の拡がりに関し、感覚的、定性的に理解することは可能である一方で、定量的に示した研究、報告等は存在せず、拡がりをより客観的に理解することは従来困難である。そのため、定量的に理解することでセンサネットワーク技術の需要が見込まれる分野を客観的に知ることが望まれている。
 また、センサネットワークを構成する各センサデバイスの駆動は、その多くが電池のみからの電力供給により行われており、その寿命は長くても1〜2年程度である。そのため、センサデバイスによる情報収集の長期間運用を考えた場合、いかに電力を継続的に供給するのかという問題が生じている。この問題の解決策として限られた電力量の中でより長期間運用を可能にする省電力制御が注目されている。しかし、省電力制御を行うためのプログラム作成は、各種パラメータの取捨選択が必要であり通常のプログラム作成に比べ困難である。そのため、システム開発者の労力を削減することが望まれている。
 このように、センサネットワーク技術の適用範囲をより一層拡げるには、省電力制御を実現すること、及び、その導入を容易にすることが重要である。
 そこで本研究では、特許出願技術動向調査を用いてセンサネットワーク技術における省電力に関連した技術の拡がりを定量的に示すこと、および、省電力制御プログラム作成を支援するツールを提供することを行った。
 提供するツールはシステム開発者の制御プログラム作成の労力負担を大きく削減する。さらに、特許出願技術動向調査の結果を利用することにより、最適な利用範囲の設定および利便性の高い条件設定入力をツールが実現している。
 本研究は、単なる有用なツールの提供であるだけではなく、技術の拡がりに対応したセンサネットワーク技術における省電力制御を実現するツールのフレームワークとしての提案であると考える。


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