修論タイトル

「Bluetoothを用いた個人用仮想電話網の構築」 (2012年度 修士論文)

氏名

酒井 慎平 <shin@spa.is.uec.ac.jp>

概要

2007年6月29日に音楽プレイヤーiPodと携帯電話の機能を合わせ持ったiPhoneが、日本では2008年7月11日にiPhone3Gが発売された。2008年10月22日に世界初のAndroid搭載搭載携帯電話としてT-MobileG1が、2009年5月19日に日本初のAndroid搭載携帯電話としてHT-03Aが発売された。これらの携帯電話はスマートフォンと呼ばれ、これらの発売以前にあった携帯電話と比べ、一様に高性能・高機能である。

インプレスR&Dの調査では、スマートフォンの所持率は年々増加している。

スマートフォン利用者には携帯電話を2台もしくはそれ以上持つ利用者がいる。この利用形態を一般に2台持ちまたは複数台持ちと呼ぶ。日経BPコンサルティングの調査では、少なくとも1台はスマートフォンを所持している2台持ち利用者は2011年6月時点で全体の5.1%、2012年6月時点でも全体の5.1%存在した。電気通信事業者協会の調査では、携帯電話の契約台数は年々増加の傾向にあり、2011年6月時点では1億2124万7千台、2012年6月時点では1億2577万3千台と増加している。このため、2台持ち利用者の全体に対する比率は変わらないが、2台持ち利用者の絶対数は増加していると言える。

2台持ちの利用シーンを考えてみると、「操作しなければならない対象が2台に増える」という欠点がある。この欠点を解消することで、複数台持ちに対するニーズが増え、携帯電話需要の増加、複数台持ちというマーケットの拡大等が見込める。

本研究では、複数台ある携帯電話の中からスマートフォンをハンドセットにし、操作をまとめるというアプローチでこの問題点の解決に取り組んだ。しかし、HFPHFとしてのサービスレコードが登録できない、接続プロトコルであるRFCOMMのサーバーソケットが作成できない、SCO-Sリンクが確立されず、音声転送ができないというハンドセットとして致命的な問題が発生する等、非常に悔いの残る結果となった。携帯電話市場にとって、スマートフォンはまだ十分に伸びしろのある分野である。この失敗のまま研究を終わりにせず、スマートフォン市場の成長とともにこの研究も成長させるような気持ちで、問題点の解決等続けていきたいと思う。


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