修論タイトル:「リクエスタサイドから制御可能なWebサービスの分散型テスティングシステムに関する研究」 (2006年度 修士論文)

氏名:光林 真

概要:

新しい分散処理技術であるWebサービスは,その技術的発展と普及に伴い企業 内システムの有機的な統合に有用であるとして注目されるようになってきた.Web サービスでは,プロバイダ(サービス提供者)が提供するサービスをリクエスタ(サー ビス利用者)が標準技術に基づいて利用する.このオープン性はWebサービスの重 要な特徴の一つであり,プロバイダの実装に依存しない,高度に抽象化された分散 システムを構築できる.

Web サービスによるシステムの抽象化は,プロバイダの内部情報を知らなくても リクエスタがサービスを利用できるというメリットをもたらす.しかし,リクエス タ開発のテスト工程では,むしろプロバイダの内部情報を詳細に把握できる方がよ く,抽象性は逆にテストを困難にする要因となる.

本研究の目的は,既存のプロバイダを利用したリクエスタ開発において,プロバ イダの内部情報を取得する手段を確立し,リクエスタが主導する総合的なホワイト ボックステストを実現することである.

一般に,プロバイダの内部動作をリモート監視または制御する手段はない.した がって,リクエスタはプロバイダの内部情報を必要とするテスト要件を作成できず, 統合的なホワイトボックステストの実施は不可能となる.そこで本研究では,リ クエスタからプロバイダ内部にテスト用コード,ライブラリ,およびツールをWeb サービスのメッセージとして送信し,実行時動的コード変換技術を用いて稼働中の プロバイダにフックするという手法を採ることで,問題の解決を図る.

この手法の有効性を検証するためにシステムを設計および実装し,実際にプロバ イダの内部情報をテストケースの実行時に取得して評価を行った.その結果,プロ バイダの内部情報の取得および制御が,正常または異常シナリオのいずれにおいて もリクエスタサイドから実行可能であることを確認した.

本文:

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システム説明:

[システムの説明(local only)]