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4 解決のアプローチ

1 解決のアプローチ

3章の問題点の解決にあたって,達成すべき目標を以下に示す.

  1. リクエスタは,プロバイダの内部情報を取得できなければならない.
  2. リクエスタは,プロバイダの内部動作を制御できなければならない.
  3. リクエスタ・プロバイダ間の通信プロトコルは,Webサービス技術の枠組でシームレ スに利用可能なものでなければならない.

既存の分散型テスティング技術では,これらの要件を満たせない.その主な原因 は,WSDLによる制約を受けず,かつWebサービスの標準仕様に基づく, リクエスタからプロバイダの実行環境に直接リモートアクセスする手段が存在し ないからである.

この問題を,以下に示す手法を用いて解決する.

2 手法

1 テストツール一式の送信

リクエスタが用意したテストツール一式を,テスト用ゲートウェイを通してプロバイダ内部へ と送信する.

テストツール一式は,リクエスタサイドからプロバイダの制御および監視を実行 するために用いられる(詳細は後で述べる).

送信時および送信後のリクエスタ-プロバイダ間通信は,テスト用ゲートウェイ を通してWebサービスの標準プロトコルに基づいて行われる.すなわち,テスト 用ゲートウェイはWSDLとして公開し,通信プロトコルにはSOAPを使用する.

テスト用ゲートウェイは,リクエスタとテストツール一式の間で交わされるメッ セージングをSOAPエンコードおよびデコードする役割を担う.また,テストケー スの構築に有用なユーティリティサービスへの簡便なインタフェースも提供する.

2 テストツール一式のフック

プロバイダ内部に送信されたテストツール一式を展開してセットアップし,サー ビスのプログラムコードへのフック,実行環境の監視などを実行する.

展開およびセットアッププロセスを起動するプログラムは,あらかじめプロバイ ダの実行環境に組み込んで動作させておく.

サービスコードへのフックは,サービスの制御および状態取得を目的として実行 される.このとき,必要に応じてサービスコードを動的に変換する.

MITSUBAYASHI Shin 2007-03-14