基本的に,MINEによるテキストの編集は次の手順で行われる.
編集テキスト内の改行文字(ASCIIコード)は,
行区切りの役割をはたし,
編集テキスト全体をいくつかの テキスト行
(単に行とよぶこともある)に分割する.
MINEの カーソルは編集テキスト中のある1文字を指している.
カーソルが指している文字のことを,
カーソル位置の文字とよび,
その文字を含んだテキスト行を 現在の行とよぶ.
MINEは画面下部の2行を特殊な用途に用いる.
画面のその他の部分は テキスト画面とよばれ,
カーソル周辺の編集テキストがそこに表示される.
テキスト画面には,通常の文字はそのまま表示される.
つまり,通常の文字`A'は`A
'と表示され,
漢字の`馬'は`馬
'と表示される.
制御文字(ASCIIコードから
までの文字,
およびASCIIコード
の削除文字)は,上向き矢印`
^
'を
使って表示される.例えば,コントロールAは`^A
'と表示される.
ただし,改行文字は行区切りであり,画面には明示的に表示されない.
また,タブ文字は適当な空白に置き換えられる.
各制御文字のテキスト画面での表示と本マニュアルでの呼び名を表17.1にあげる.
通常,各テキスト行は画面の1行に表示されるが,
テキスト行が長すぎて画面の1行におさまらない場合は複数の画面行にわたって
表示される.この場合,各画面行の最後に感嘆符`!
'を表示し,
これによってテキスト行の継続を示す.
テキスト画面のすぐ下には白黒が反転した行がある.
この行にはエディタ名``MINE
''と現在の編集ファイル名が
常に表示されている.
もし編集ファイルがない状態であれば,編集ファイル名のかわりに
``[no file]
''と表示されている.
画面の最下行は, メッセージ行とよばれ, MINEからのさまざまなメッセージがここに表示される. また,引数を必要とするMINEコマンドに対しては, 引数の入力はこの行を使って行われる.
MINEへの入力は,すべてMINEへのコマンドあるいはその一部とみなされる.
MINEへのコマンドは, 自己挿入コマンドとその他のコマンドに大別される.
自己挿入コマンドは1文字からなり,その文字をカーソルの直前に挿入する.
通常の文字は自己挿入コマンドであり,
例えば`A'を挿入するにはA
のキーを打てばよい.
漢字はすべて自己挿入である.MINEは独自の漢字入力機能を持たないので,
漢字を入力するには,オペレーティング・システムやウインドウ・システムの
提供する漢字入力機能を使う必要がある.
自己挿入以外のコマンドは,MINEに何らかの行動を指定するためのものである. これらのコマンドについては,以下で説明してゆくことにする. 制御文字をテキストに挿入するには,次のコマンドを使用する.
^Q
^A
をテキストに挿入するには,
まず^Q
を入力し,次に^A
を入力する.
MINEのコマンドは,1文字以上の文字の列で構成されており,
引数を必要とするものとそうでないものがある.
このマニュアルでは,個々のコマンドを,
そのコマンドを構成する文字をスペースで区切ることによって表わす.
例えば,ESC
とDEL
の列からなるコマンドは
ESC DEL
と表わし,まずESC
,
次にDEL
を入力することによって実行されることを意味する.
コマンドを構成する文字列が英文字を含む場合は,大文字を使ってその
コマンドを表すことにするが,大文字のかわりに小文字を入力してもよい.
例えば,制御文字^X
と英文字I
で構成される
^X I
というコマンドは,まず^X
を入力し,
次に大文字のI
または小文字のi
を入力することによって実行される.
各コマンドには名前がついている.
例えば,上の^Q
というコマンドには``Quote''という名前がついている.
このマニュアルでは,このようなコマンド名を,
そのコマンドを構成する文字列に続けて表示することにする.
例えば,``^Q
(Quote)''といった具合である.
入力中のコマンドをキャンセルするには,コマンドの入力が完了する前に,
^G
を入力する.
^G
^G
は,先にあげた^Q
をキャンセルすることはできない.
なぜなら,^Q
の直後に^G
を入力すると
制御文字の^G
がテキストに挿入されるからである.